2017/01/18

夜組


大学時代に演劇に生演奏で参加はしていたけど、自分の楽曲がただ使われるのは初めてで、流れた瞬間そわっとした。


ジエン社の「夜組」という演劇で私の曲「パラレルワールド」を使ってくれたので観に行った。
交わるようで交わらないようで知らないところで交わっている町の人たち。夜の計画停電が実施されている町にはラジオの電波がわずかにしか入らず、それを探す人たちを中心に話が展開されるが、同時多発的に台詞が発されることもあり、何回か観ないと理解できない、あるいは何回か観ても理解できないと予想されるくらいには難しい。
確かに舞台上にいるのに見えないように振る舞われたり、人間と人間の間を人格が移動しているような演出は、人間の存在とは果たしてそこにいるように見えるというだけで認めていいのか、そこにいないように見えるというだけで無視していいのかという私たちへの問いに感じ、生きているか死んでいるかわからなかったり異形になってしまっている存在を承認しているようであった。災害などで行方不明になってしまっていつまでも見つからない人は、生きているか死んでいるかわからないけれど、家族にとっては生きていて、でも社会的には消えてしまっている。病気によって働けていないけれど懸命に生きていて、それでも社会との繋がりが薄くなってしまっているから忘れられてしまっている…といった人のこともまるっと肯定している気がした。

まだまだ書きたいけどうまく書けないのでこのへんで。

「夜組」は池袋シアターKASSAIで23日まで。https://www.quartet-online.net/ticket/yorugumi-jiensha